「脱力」に全てが詰まっています。
- 2016-1-7
脱力のプロセスは
・筋肉本来の機能を取り戻し
・ゼロ・ポジションの姿勢をつくり
・軽く動けて疲労しないカラダになること。
これにより、ガッチガチな身体から解放され、人生に楽しみを見出せるようになるのです。
理想の肉体とは何でしょうか?
それは、
最小限の疲労コストで
最大限のパワーを出せるカラダ。
つまり、疲れにくく、絶大な力を出せるカラダです。
あなたは真逆の状況を、経験したことがあるかもしれませんね。
あまりつらい運動をしていないのに。
それこそ草むしりや掃除といった、昔は余裕でできていた動き。
昨日やったはいいけど、今日になったら凄く疲れている。
おかしい・・・!
パワーを使っていないのに、カラダがものっそい疲れている。
こういった、発生パワーと疲労コストの割合が壊れているのは
姿勢のポジションが崩れているために起こるのです。
僕ら人間は、四六時中なんらかの姿勢をとっています。
寝ているとき、座っているとき、立っているとき。
その中でも立っている姿勢は、動きの起点です。
歩きはじめ
走りはじめ
荷物をもつ
振り向く
ものをとる
人間が動く起点は、立ち姿勢からはじまります。
これは動きよりも、前段階ですから
動いた後に修正しようと思っても困難です。
準備段階であるスタンス、立ち姿勢が8割の重要度を占めているということ。
立ち姿勢のポイントは
身体に余計な力がかからない姿勢をとれているかどうかです。
身体に余計な力が入らない姿勢=ゼロ・ポジション。
人間の身体は、シャンパングラスのような体型をしています。
脚が軽く、胴体が重い。
体重の58%は体幹・首・頭です。
対して脚の重さは、体重の30%程度。
体重バランスによって、不安定さが変動するのです。
ですから、体重バランスが足の中心にくる、ゼロ・ポジションのが最も安定します。
逆の状況をイメージしてみましょう。
足の前や後ろに体重がかかると、身体全体が斜めになって倒れやすくなり不安定です。
非常に不安定ということは、安定させるために余計な力を使って疲労コストが発生します。
常に疲労コストがかかる。
だからゼロ・ポジションの姿勢が重要になってきます。
体重が足の中心にあれば、身体全体はまっすぐになり、安定します。
まっすぐにする余計な力もいりませんから、疲労コストは発生しません。
そして、発生パワーにも大きな差がでます。
僕らは身体の中にある600個もの筋肉の合わさった力で動いています。
筋肉はそれぞれ方向が違いますから
ある筋肉が働くときは、逆側の筋肉がリラックスするとパワーが大きくなります。
パワーを発生させる時に
アクセルとなる筋肉を収縮させ、ブレーキとなる筋肉を弛緩させるわけですね。
この収縮と弛緩のプロセスに、最初から筋肉に余計な力が入っていると不利です。
力を入れるのも、力を抜くのも、若干の時間がかかる。
ですから、動きはじめは余計な力がかからないゼロ・ポジションが絶対に必要なのです。
さらに、動きだす早さにも差が出てきます。
例えば、歩き出すとき。
ゼロ・ポジションからであれば
スネ筋を使って体重を前へ→片足を前にだす という動きになります。
では、足の前に体重がある場合は
姿勢保持用のふくらはぎ筋の力を抜く→スネ筋を使って体重を前へ→片足を前にだす
足の後ろに体重がある場合は
姿勢保持用のスネ筋をさらに使って体重を中心へ→体重を前へ→片足を前にだす
となり、ゼロ・ポジションから始めたほうが1テンポ早くなるのです。
身体の軽さは、イメージの伝導率である。
身体の重さが一瞬で変わる、という体験はあるでしょうか。
・整体やマッサージを受けたとき
・試合前に気合がうまーく入ったとき
・靴の形や服装が変わったとき
自分の体重はほとんど変わっていないのに
身体を動かすときの感覚が、明らかに軽くなることがあります。
僕らは身体を動かすとき
脳が動きのイメージを行って、神経が指令を伝えて、筋肉がパワーを発生させます。
このとき、イメージとパワーの誤差が少なければ「身体が軽い」
イメージとパワーの誤差が多ければ「身体が重い」と感じます。
イメージした動きと実際の身体のパワーを比較したときの、誤差が基準なのです。
ですから、
早さとパワーの大きさを整えれば、身体は軽くなります。
筋肉本来の機能を取り戻すのが、最も近道である。
では、ゼロ・ポジションはどうやったら身につくのでしょうか。
方法は3つ。
・意識的に足の重心をゼロ・ポジションにおく
・足の骨格を調整して、ゼロ・ポジションに誘導する
・筋肉本来の機能を取り戻し、姿勢のズレを解消することでゼロ・ポジションに誘導する
この3つを脱力集中整体では行っていきます。
まず、
意識的に足の重心をゼロ・ポジションにおきます。
ふだんが踵重心やつま先重心になっていれば、ここで違和感がでて
身体のどこかが支えにくい感覚がでます。
その部位こそ、筋肉本来の機能が低下しているのです。
大まかなあたりをつけ、ふだんの生活から身体を見直すことができます。
もう1つ。
足の骨格調整を行います。
足は立つときの基盤となる、最も重要な部位。
骨の数は片足で28個あり、すべてあわさって土踏まずであるアーチ構造をつくっています。
アーチ構造を整えることで、ゼロ・ポジションをとりやすい土台を誘導していきます。
そして、最も重要なのが
筋肉本来の機能である、「のびちぢみ」。
筋肉の機能は、3つです。
・伸縮してパワーを出すこと
・熱産生すること
・ポンプ作用で血液を運ぶこと
このうち、メインとなる本来の機能は
伸縮してパワーを出すこと。「のびちぢみ」です。
筋肉という組織は、最もシンプルに考えると
「のびちぢみ」する組織です。
その度合いは、神経の要素と、繊維の要素で決定されます。
神経の要素で、伸ばすための整体法は Ib抑制
神経の要素で、縮ますための整体法は ストレッチショートニングサイクル
繊維の要素で、伸ばすための整体法は リリース
繊維の要素で、縮ますための整体法は 筋力トレーニング
この4つを用いて、筋肉本来の「のびちぢみ」を取り戻していきます。
とくに リリースと筋力トレーニングは自宅でも可能な整体法なので、重点的に行っていくと効果的です。
まとめると
理想の肉体は、ゼロ・ポジションから始まる。
ゼロ・ポジションがとれれば、身体は軽く動かせる。
筋肉の「のびちぢみ」が自在になると、ゼロ・ポジションをとることができる。
整体の具体的な内容は、つぎで具体的にお話ししてみましょう。