内転筋ストレッチの悩みを解決!筋肉イメージと脱力ストレッチ法
- 2018-11-5
調子はいかがですか。
池袋駅から徒歩7分、脱力集中整体院長の田中孝祥です。
脚が開くようになりたい!と思ったことはありますか?
私は先日、国立新劇場でバレエを観てまいりました。
劇場でバレエを観るのは初めてだったのですが、大きく開脚して跳び動き、とても綺麗だったと印象に残っています。
さて。
バレエに代表されるダンスやサッカーといったスポーツでは、脚を横に開く角度:股関節の外転はとても重要な動きです。
ふだんの生活動作である歩行や座位ではあまり必要でないものの、ダンスやスポーツでは急激に必要性が増してくるもの。
股関節を外転するストレッチ、俗にいう内転筋のストレッチは悩む人も多いのではないでしょうか。
今回の記事は開脚の要である内転筋ストレッチに関して、動き・筋肉の形・具体的なストレッチの3種類から解説します。
目次
開脚の動き:股関節の外転とは何か?
まず脚を横に開くという動きはどんな動きでしょうか。
定義でいえば、自分のカラダの中心である頭から床への軸に対して真横に動かすことが「股関節の外転」です。
股関節外転の一般的な角度は45°とされています。(日本整形外科学会・日本リハビリテーション医学会,1995)
45°という股関節外転角度を使うのは、方向転換でカラダの向きを変える時です。
ちなみに歩行の時の股関節外転は10°ほどしか使っていません。
日常生活のなかでの股関節外転は、動かしている実感がわきにくい関節の動きと言えるでしょう。
とはいえ、ダンスやスポーツでは非常に重要で、90°以上の開脚が求められることもしばしば。
例えばバレエではつま先を外に向け脚を後方に伸ばしぎみで開脚する「股関節伸展・外転・外旋」の動きが求められます。
相撲では四股(しこ)が有名ですね。体幹を前傾させてふんばる「股関節屈曲・外転・外旋」で前方に進む動きが求められます。
このように、より具体的なシチュエーションで動きを明らかにすることで、より実践力のあるストレッチになっていきます。
日常では使わない動きだからこそ、使うシチュエーションを明確にしたストレッチが重要です。
あなたの開脚で必要な動きは何でしょうか?まず書き出してみてください。
内転筋は存在しない?「内転筋」とは何か
開脚したいときには、内転筋ストレッチを行いましょう!といわれるのが一般的かもしれません。
ですが、じつは内転筋という名称の筋肉は存在しません。
内転筋群という総称としての筋肉群を、私たちは「内転筋」と読んでいます。
内転筋群の内訳は、以下の5つの筋肉。
・長内転筋
・薄筋
・恥骨筋
・短内転筋
・大内転筋
内転筋群の5つの筋肉は、どれも骨盤から出発して大腿骨の内側につく筋肉。
骨盤と大腿骨をむすんでいるので、収縮すると股関節内転という閉脚の動き。脱力してストレッチすると股関節外転の開脚の動きになります。
内転筋群の5つの筋肉は、それぞれ骨に付着している部位が若干違うために名前が違っています。
内転筋群の具体的な付着部位は個人差もありますから、大まかなイメージをつかんでおけば十分です。
内転筋群の動きは、大きく2種類にわかれます。
・股関節内転する(閉脚)
・股関節内転内旋する(つま先を内側に向けて閉脚)
股関節内転する筋肉は薄筋・恥骨筋・短内転筋。股関節内転内旋する筋肉は長内転筋・大内転筋が該当します。
ですからストレッチをするときは、内転筋群の動きと逆をそれぞれ2種類おこなってください。
・股関節外転する(開脚)
・股関節外転外旋する(つま先を外側に向けて開脚)
イメージができたら、具体的なストレッチを行っていきましょう。
内転筋ストレッチを2種類+詰まり感対処法
今回の目的は開脚の角度をあげることですから、ストレッチのなかでも静的ストレッチをおこないます。
静的ストレッチの基本は、力をできるだけ入れずに脱力した状態で伸ばしていくこと。
角度をあげるために30秒から1分は最大伸長位をキープして、反動はつけないようにしてください。
股関節外転する(開脚)ストレッチ
これは股関節を純粋に外転するストレッチで、薄筋・恥骨筋・短内転筋に作用します。
キャスターつきの椅子に座り、座面の高さをできるだけ高くします。半分だけお尻を出して、出した側の脚を軽く開脚します。出した側の脚は力をぬき、重さは床に任せましょう。つま先と膝は正面、顔と同じ方向に向けるのがポイントです。
姿勢をキープしながらキャスターを出した脚とは逆側に移動させ、筋肉に力を入れないように開脚限界まで開いてキープしてください。
股関節外転外旋する(つま先を外側に向けて開脚)ストレッチ
これは股関節を外転するだけでなくつま先を外側にむけるストレッチで、長内転筋・大内転筋に作用します。
先ほどの股関節外転のストレッチに加えて、つま先を外側に向けます。キャスターつきの椅子に座ってストレッチしていくことは同じです。
膝が曲がっているときは、つま先の向きと膝のお皿の向きを揃えるよう意識すると股関節の外旋が正確につくられます。
番外:股関節の詰まり感を解消するストレッチ
股関節を大幅にストレッチするとき、ネックとなるのが詰まり感です。
この詰まり感とは、股関節を大きく動かして可動域ギリギリになるときに筋肉の伸長感がなく関節付近に圧迫感が生じてしまうことをいいます。
股関節外転で生じる詰まり感は、お尻の外側に攣れるような感覚があるときもあります。
股関節に詰まり感があるときは必要な筋肉がストレッチされておらず、筋肉以外の原因で股関節のストレッチが制限されていると考えて良いでしょう。
もっとも気をつける制限因子は、股関節の靭帯です。
股関節の靭帯には、腸骨大腿靭帯・坐骨大腿靭帯・恥骨大腿靭帯の3つがあります。その中でも股関節外転にもっとも関連するのは恥骨大腿靭帯。骨盤の恥骨から大腿骨上部にかけて出ている靭帯です。
股関節の靭帯が縮こまっていると、関節のスライドによっておこる遊びがなく、詰まり感が発生します。
靭帯のストレッチを行い、詰まり感を解消しましょう。
脚を体幹側にかかえ、膝を曲げます。大腿部をかかえたまま開脚し、ぐーっと押し上げるようにストレッチをしていきます。
通常の筋肉のストレッチと比べると神経の関係上、伸長感はありません。伸ばされ感はありませんが、そのまま押し上げて開いていってください。
時間は1分程度。
このあとでストレッチを行い、詰まり感が発生するまでの角度が大きくなっていれば成功です。
まとめ:開脚できるようになるポイントは
今回は開脚の要である内転筋ストレッチに関して、動き・筋肉の形・具体的なストレッチの3種類から解説いたしました。
開脚できるようになりたい!バレエやスポーツのパフォーマンスをあげたい!の悩みを解決するためには、筋肉の形をイメージした上で脱力してストレッチしていくことです。
開脚のストレッチは、2種類。股関節内転・股関節内転内旋を的確におこなって、パフォーマンスをあげていきましょう!
脱力集中整体 院長 田中孝祥