足首の捻挫でトレイルラン中に痛みが出たお客様の改善事例
調子はいかがですか。
池袋で痛みと張りを解消する脱力集中整体、院長の田中孝祥です。
このたび、お客様からクチコミをいただきました!改善事例としてご紹介させていただきます。
この方はトレイルランニングをされている方で、上位入賞もされている実力者です。
足首の捻挫のあと、ランニング中に痛みがでてしまうようになったことが主な悩みとのことでした。脱力集中整体の施術内容とあわせて解説いたします。
(脱力集中整体は改善事例の紹介にお客様の同意をいただいています。詳しくはプライバシーポリシーをご確認ください。)
目次
足首の捻挫でトレイルラン中に痛むお客様のクチコミ
お悩みがあったお客様は43歳の男性でした。
全体としての満足度、院長の対応の満足度、整体技術の満足度は「とても満足」とご回答いただきました。
カラダの状態と整体施術後の変化
Q. 整体をうけようと思ったカラダの症状を教えてください。
A. 右足首の捻挫、左膝痛、腰痛
Q. 整体をうけて、カラダにどんな変化がでましたか?
A. カラダの使い方について学べた。教えてもらったカラダの動かし方を自宅でも練習したい。
脱力集中整体からのコメント
クチコミありがとうございました!
今回の整体では、右足首の捻挫、左膝痛、腰痛の3点のお悩みに対して施術をさせていただきました。
お話をうかがっている中で、左膝と腰痛は数年前からレース終盤での痛み、右足首は数ヶ月前に思い切り捻挫との情報がでてきました。
今回は痛みの強さからの判断で右足首を最優先で施術させていただきました。
右足首は怪我のあとなので数週間は痛みが出やすいのが通常ですが、数ヶ月前ですと急性期の安静期間はとっくにすぎています。
痛みが残って定着してしまうとパフォーマンスに大きく影響がでてきてしまいますから、関節の安定性を筋肉でつくっていき、トレイルラン中も痛みがでないようにしていきましょう。
左膝痛と腰痛は数年前からレース後半での終盤ということでカラダに小さな負荷がずっとかかっている状態と考えられましたので、荷重方法にアプローチさせていただきました。
さすがレースで上位入賞するだけあって、少し荷重を意識するだけで一気にカラダを変えられましたね。
荷重方法を変えることが実際にできるなら反復練習でトレーニングすればOKなので、日常からできるタイミングで意識していきましょう。
実際には右足首、左膝痛、腰痛、荷重方法と姿勢にアプローチしましたが、この記事では右足首に着目して施術内容を詳しく記します。
足首の痛みへの脱力集中整体での施術内容
まず前提としてトレイルランニングの特性を簡単に定義しておきます。
トレイルランニング(Trail running)は、陸上競技の中長距離走の一種で、舗装路以外の山野を走るものをさします。トレランやトレイルランとも略され、山岳レースとも呼ばれます。
競技の特性を理解しておくことで整体中に特定のカラダの動きに着目することができ、競技での結果を出しやすくなります。
トレイルランニングのイメージとしては山道を走る競技で、距離は40km程度のものもあれば100km以上になることもあるハードな競技です。
平地で整った地面を走るマラソンと比べると、坂道や岩場や木の根っこがあるデコボコな不整地を走るトレイルランニングは膝への負担や足首の捻挫が起こりやすいと言えます。
トレイルランニングは関節に負担がかかりやすく、怪我も起こりやすい。
ということはカラダとしてはより良い動き、負担のかからない動作が重要になると言えるでしょう。
例えば半日以上同じフォームで走っているとすると、たった1%の効率の違いでも大きな変化になってくるわけですね。
またデコボコな不整地を走るので、足首や足裏の機能アップが欠かせなくなってきます。
人間がバランスをとるときの関節は足首だけでなく体幹や股関節でも行うことはできますが、不整地を走るという動作なら足首や足裏でバランスをとるのが効率良くなります。
ですからトレイルランニングを行うお客様の整体には足首や足裏の機能にとりわけ着目して行う必要があります。
以上のことから、トレイルランニングを行うお客様の整体施術内容は3つの事柄を重視して行います。
1. ランニング動作で痛みをなくすこと
2. 足首と足裏の機能を優先的にあげること
3. ランニング動作を効率化して関節への負担を減らすこと
とりわけ今回は痛みの場所が足首周辺でしたから、痛みによって足首の機能が落ちて1.と2.の内容がクロスしてトレイルランニングへの影響が大きくなっていると予想されました。
痛みを除去して足首の機能をあげていく必要があるでしょう。
さっそく施術内容を詳しく解説していきます。
ランニング動作で足首の痛みをなくして機能を上げる関節構造
足首の痛みと一口にいっても、痛みの場所によって施術方法は変わります。
今回の痛みは足の中でどのような状況になって発生しているのでしょうか?
検査とあわせて痛みのシチュエーションを脱力モニタリングで確認しました。
足首の痛みを細かく伺うと、内くるぶしの下側に大きな痛みがあり圧痛が認められました。
外くるぶし周辺にも圧痛がありましたが、メインの痛みは内くるぶしの下側でした。
ランニング動作でははっきりとした痛みは出ませんでしたが、片足ジャンプ動作で内くるぶしの下側に痛みが出たことからランニング中でも同様の痛みがでることが想定されました。
一般的に足首の捻挫の受傷は足首の外側をグキっと内返しにひねって外くるぶし側の靭帯を伸ばしたことによっておこり、痛みも外くるぶし側に発生しやすくなります。
これは足首の関節構造による特性で、外くるぶしが内くるぶしよりも下にあるために起こります。
ちなみに内側の靭帯はよっぽどの大きな衝撃がないと靭帯はのびません。
足首の靭帯はいちど伸びると基本的には回復しないので、靭帯ストレステストを行うとはっきりと伸びた靭帯繊維がわかります。
今回のお客様は痛みが内側にありましたが、実際に検査してみると外くるぶし側の靭帯である前距腓靭帯と後距腓靭帯および踵腓靭帯に不安定さが認められました。
いっぽう足首の内側の靭帯である三角靭帯には不安定さは認められませんでした。
このことから外くるぶし側の靭帯が不安定なのに内くるぶし側に痛みがでており、関節の不安定さが直接の原因になっていないことが考えられます。
つまり外くるぶし側が不安定なために内側に体重をかけてかばっていること、また足首をかばって動かさないことによる筋力などの影響がでている可能性があるということです。
実際に体重のかけかたをチェックしてみると、右足は親指側の内側に体重をかけて足裏の足底筋膜も張っていました。
また足首まわりの筋肉が弱くなっている状態で、とりわけふくらはぎの奥にある後脛骨筋という筋肉が張って筋力低下していました。
この後脛骨筋は内くるぶしのまわりを滑車のように腱が通る筋肉なので、弱くなって張ってくると内くるぶしまわりが痛くなるという特性があります。
これらの検査から、靭帯が不安定なことによって足の内側に体重をかけて負担が増していること、またふくらはぎ周りの筋肉が弱くなり張っているために腱が動かなくなっていることが考えられました。
とくに内くるぶしのまわりを通っている後脛骨筋が痛みの場所とも一致していましたので、最優先でアプローチいたしました。
具体的には後脛骨筋に代表されるふくらはぎ周りの筋肉とトレーニングすることで再教育を行い、テーピングで外くるぶし側の組織の補強を行いました。
動作を効率化して関節への負担を減らす動作指導
ランニング動作を効率化して関節への負担を減らすには、走行フォームに結びつくように行います。
実際に100kmくらい走ったあとのカラダをチェックすると一番はっきり関節の負担がわかりますが、整体場面では時間も手間も足りないので簡易的に行います。
短距離を走ったときの状態、短距離を歩いたときの状態から動きの効率を推定して動作を何種類か提案することで効率化を図っていきます。
ランニング動作を効率化する動き方のチェックポイント
まず前提として、効率の良い動きの条件とは何か。
それは必要なパワーに対して速く達成できることです。
客観的な数値になおすと消費エネルギーが少なく速度のはやい走りができれば効率が良いと言えます。
例えばいくら速く走れたとしても、消費エネルギーが多くてすぐに疲れてしまうと効率が良いとは言えません。
逆に消費エネルギーが少なくても、速く走れないと本末転倒ですね。
これは車の燃費のエネルギーの考え方と同じなので、車でイメージするとわかりやすいかもしれませんね。(人間ですとダイエットという非効率的な目標が入るので混乱しやすいです)
効率の良い動きを実際の動作でチェックするときは、快適な速度で歩いていただきます。
快適な感覚で歩いたときに、効率の良い動作になればなるほど速いスピードで自然に歩くことができます。
できるだけ脱力して無駄のない状態で、速く歩ければOKというイメージですね。
今回は足の内側に荷重をかけている状態でお腹やお尻の筋肉を使えていない状態でしたから、お腹とお尻のトレーニングをして筋肉を賦活した上で意識して歩いていただきました。
これにより自然にスピードに乗って歩けたので、まずはお腹とお尻を使うイメージでフォームを変えていく方針に決定いたしました。
ちなみに足首を使う意識も試行していただきましたが、こちらは速度が出ず動きにくい感覚が出ましたので今回は意識しないことといたしました。
関節への負担を減らす内的モーメント
関節への負担という観点でも、お腹とお尻の筋肉を使うことは足首への荷重が減るという明確なメリットもあります。
これはカラダの内的モーメントというもので、お腹やお尻の筋肉で足への荷重を引き上げることによって関節への負担が減ります。
内的モーメントは理論で考えるとイメージしにくいのですが、実際に行うと感覚でわかる人が多いです。
だらっとした状態での足裏に体重が乗る感覚と、腹に力を入れた状態で足裏に体重が乗る感覚。
この2種類を比べてみると腹に力を入れた状態のほうが足裏の感覚は軽くなります。
体重計に乗ったときの重量は同じですが、足裏に感じる感覚には明確に差がでる。この感覚が内的モーメントによるものです。
つまりはお腹とお尻の筋肉を使うイメージをもつことで、動作を効率化して関節の負担を減らすことができるのです。
まとめ
この記事ではお客様の改善事例として、足首の捻挫でトレイルラン中に痛みが出たお客様のクチコミと脱力集中整体の施術内容をご紹介いたしました。
トレイルランニングは不整地が多いため、足首の機能を重点的に改善していく必要があります。
痛みの場所をモニタリングで分析したあと、ふくらはぎまわりの筋肉をトレーニングし、テーピングを行い、動作を変えていくことで関節への負担も減らしていきます。
クチコミいただいたお客様、このたびはありがとうございました!
ぜひご自宅でも練習を続けていってくださいね。
それでは、また次回!
脱力集中整体 院長 田中孝祥